動物からみる同性愛事情

2015年6月にアメリカの連邦最高裁判所が、同性婚を認める判決を下しました。これから全米で同性婚の法整備が進んでいくことになります。日本でも東京都の渋谷区が、同性カップルに結婚に相当する関係だと証明するパートナーシップ証明を発行する条例案を作成すると決めました。異性カップルと同等にはまだ程遠いとは言え、同性愛への理解は確実に広まっています。
いっぽう、同性愛は異常動物と語った市会議員もいます。人を動物というのは大変失礼なものですが、実際この議員の発言の通り同性愛は異常動物なのでしょうか。動物の同性愛事情を紹介します。

動物も同性愛を楽しんでいる?

少し前まで動物も同性で性行為をするとは、考えられていませんでした。有識者の間で同性愛とは治療すべき異常な対象であったので、本能のままに生きる動物に同性愛が存在することが考えられないことだったのです。

しかし現在では同性間で行為の確認が取れている動物は、哺乳類、鳥類両生類などの種の区別なく、1,500種類にも及び、このうち明確な記録が取れている動物は500種類にもなります。本能のままに生きているはずの彼らの間にも、確実に同性愛が存在するのは間違いないでしょう。

わかりやすい所を紹介すると、キリンの交尾の9割が男性同士で行われています。キリンは、繁殖期に入るとメスを巡って雄同士で首相撲をします。長い首をしならせて争うのですが、実力が肉迫していてなかなか決着がつかないと、性行動を始めてしまうのです。これは争いがヒートアップして、致命的なダメージを負うことを避ける狙いがあると考えられています。

他にもアフリカゾウやアジアゾウは長い鼻をお互いの口に入れたり、キスをしたり愛情を連想させるようなスキンシップをするケースもあります。 このように、動物は自然なこととして同性でのスキンシップや性行動を行っているのです。

ペンギンの同性カップルの子育て

動物の同性の性行動は、コミュニティーの連携や、結びつきを強めたり、同性の争いの引き際として生命を守ったりと、何らかの意味があると考える学者もいます。

しかし、パートナーとなれる異性が目の前にいてもカップルとならず、電流を流されてもパートナーの同性から離れなかったペンギンもいます。このことから考えると、生物のコミュニティーのような、種のためだけに、同性とカップルになるという理論には疑問が出てくるかもしれません。

ペンギンの同性カップルは、動物園で特に雄同士が比較的多く確認されています。デンマークの動物園では、雄同士のカップルが育児放棄された卵を育てました。その雄同士のカップルは、それまでも他のカップルから卵を盗もうとしたり、ニシンを温めたりしていました。

これらの行動を見ると、カップルは子供を熱望していたことが伺えます。そこで、動物園の飼育員が育児放棄をされた卵を、彼らに育ててもらおうと考えたのです。その卵は、産んだ後に他の雄と恋に落ちて、新たなオスとつがいになってしまった雌のもの。

その雌は新たなパートナーと卵を産んで、前のパートナーとの卵を見捨ててしまったのです。雌が放棄した卵を、雄同士のカップルは見事羽化させました。

このように、他の動物の間では同性愛が当たり前に存在します。人間のように、隣人が同性でカップルになり、性行動をしたからといって、攻撃するようなことはありません。動物の同性愛を公開した博物展では地獄の業火に焼かれるだろうと、痛烈な批判も受けたと言います。動物たちの間の同性愛のあり方を見直すと、同性への愛情に拒否反応を示す人間のほうが不自然だと言えるでしょう。