敢えて同性愛を選ぶ

同性愛とは遺伝、教育環境、生物学的条件など、さまざまな要因が複雑に絡み合って同性愛となり、本人の努力でどうにかなる問題ではないとされていました。1982年にアメリカのテキサス州の同性との性行動を禁止する法律の撤廃を求めた裁判では、同性愛者になるかどうかは自分で選べないので、刑罰は抑止力とならず意味はないという判決が下りました。

また、同性愛に否定的な人が多いアメリカでは、同性愛が生まれつきと知った人と知らない人では、前者の方が同性愛を容認する人が多いという調査結果もあります。つまり、同性愛が認められるためには、止むを得ず同性愛者となるという認識が必要なのです。

選んで同性愛者になる理由

生まれつき要素が強い同性愛。実際、自覚している同性愛者は、90%が生まれつきと言われています。しかし、アメリカのレスビアンの女性たちは、敢えてレズビアンとなった人もいます。

彼女たちは、男性なしで生きることを決めて、女性同士で家族を作り、愛し合うこと選択した結果レズビアンとなったのです。他にも実際は異性としか交際経歴がないにも関わらず、トランスジェンダーやバイセクシャルなどと自称する著名人もいます。

ゲイやレズビアン、バイセクシャルなどのセクシャルマイノリティの人たちは、自分のセクシャルを理由なく明らかにすることはありません。発信力のある著名人が自分がセクシャルマイノリティだと公言したり、バイセクシャル的パフォーマンスをしたりすることで、セクシャルマイノリティの間違った知識や偏見が取り払われるきっかけになります。つまり、トランスジェンダーの啓蒙活動となるのです。この場合は、実際は異性が恋愛対象となれるのに、敢えてバイセクシャルを選択してそのように振る舞います。

また性欲が強く、欲望を満たす対象が同性しかいなかった状況でたまたま同性と性的関係を持つケースもあるでしょう。この場合も、先ほど挙げた2つの例と同じように、異性が恋愛対象だったのに、敢えて同性と恋愛関係になったということ。そこに一般的な恋愛のような感覚は薄く、欲望を満たす衝動的な行動だったとしても、当事者が納得していることに第三者が口を挟む資格はありません。

これを否定することは、普通と違うという理由でセクシャルマイノリティを否定することになります。そもそもトランスジェンダーの人たちは、性的概念が薄く、ワンナイトラブを楽しむ人も多いです。生まれつきでも生まれつきでなくても、性別に捕らわれず自分らしく自由に行きようとする姿勢は共通なのかもしれません。

完全な異性愛者は存在しない?

セクシャルマイノリティが広く知られるようになるほんの少し前までは、男性は女性、女性は男性しか愛せないと認識されていました。そのため、同性愛者は病気として治療するべき対象とされていたのです。

しかし、新たな研究で同性に全く惹かれない、要するに完全な異性愛者はそもそも存在しないことが明らかになりました。女性にセクシャルな男性と女性の映像を見せると、どちらにも体が反応することが分かったのです。

ちなみにこれらの反応に、同性愛者か、バイセクシャルか、異性愛者かという本人のセクシャリティは関係ありませんでした。男性にも性的な写真を見せたところ、女性ほどの大きな反応はありませんでしたが、同様に反応を示しました。つまり、男性も女性も何かのトリガーがあれば、同性を愛する可能性があるのです。

異性愛者、同性愛者、バイセクシャルなどと、1人1人のセクシャリティがきっちり色分けされているわけではなく、性的嗜好がグラデーションのようになっていて、その時に応じていつもと違うセクシャリティが顔を出すことが考えられるのです。自分は異性愛者だと信じていても、あるとき運命の相手があらわれれば、同性でも恋におちるかもしれません。